私のように中年突入のものには、既にあまり縁がない(かも知れない)が、若い諸君にとっては円がありそうだ。
さて、問題なのは、結婚、結婚式、結婚披露宴は連動する必要があるのだろうかという事。

ブライダル業界にとっては、或いはホテル業界にとっては、連動してもらわなければ困るだろう。
だが、そうでないと考える諸君が少なく無いだろう。
それぞれの中身を見ると、それは当然。

結婚とは、法的には入籍をする法律行為だが、いわゆる事実婚であれば、これも存在しない。
この場合、強いて言えば、住民登録の住所を同じにすることくらいだろう。
法的な視点を抜きにすれば、当事者の心の問題だ。

そこで、結婚式
大抵は神社やチャペルなどで賑々しくやることをイメージするだろう。
ホテルなどの中に併設された、半ば商業ベースのものを含めて。
だが、結婚に「魂の結びつき」や強い宗教観を持つものでないかぎりは、単なる儀式でしかない。
法律上の手続とは別物だからだ。

そして結婚披露宴
嘗ては親戚だけでなく、友人や職場の関係者などを集めて盛大に行うことがあった。
だが、これも歴史としてはつい最近の話。

夏目漱石の結婚の話を見ると、実に面白い。
漱石自身は、あまり書き残しては居ないようだが、鏡子夫人が息子の伸六に語ったものが刊行されている。
これによると、見合いから程なく結婚が決まったものの、漱石は旧制高校の教師として、新しい任地への赴任が決まっていたため、予定を繰り上げて赴任前に行うことになったという。
結婚披露宴が結婚式を兼ね、夫人側の親族が普段着で集まり、漱石はモーニング着用、鏡子夫人は留袖。
いつもの宴会の延長でしかなかったようだ。

つまり、これが明治時代の一般的な結婚式と結婚披露宴の姿。